貴ノ岩かわいそう!被害者なのに提訴取り下げは兄姉の為?両親はいない?

貴ノ岩

2017年10月に起きた元横綱日馬富士関による貴ノ岩関への暴行事件で、貴ノ岩関が約2400万円の損害賠償を求めた提訴を取り下げたと報告がありました。

師匠である貴乃花親方は弟子を手放し相撲協会を去ることになり、弟子の貴ノ岩関は被害者なのに治療費も払われずに泣き寝入りのような形になってしまったこの事件。

世間では「貴ノ岩が可哀想過ぎる!」「これでは泣き寝入りなのでは?」と多くの声が上がってます。

貴ノ岩関が提訴を取り下げた理由は母国モンゴルや家の事情も深く絡んでいるようです。そのあたりを調べてみました。

貴ノ岩関が元横綱日馬富士関への提訴取り下げを発表

2018年10月30日、貴ノ岩関は元横綱日馬富士関の傷害事件を巡って、慰謝料など約2400万円の損害賠償を求めた訴訟について提訴を取り下げました。

貴ノ岩

貴ノ岩はこの日、文書で経緯を説明した。

「裁判を起こしてから、母国であるモンゴルでは私に対する想像を超える強烈なバッシングが始まり、私の家族もモンゴルで非常につらい目に遭うことになりました。

実際に家族から何度も耐えられないとの連絡があり、もう裁判をやめてくれとの要請がありました。

私はどのような反応にも立ち向かう覚悟でしたが、これ以上、私の家族がモンゴルでつらい思いをすることは私自身の気持ちとして耐えられません。

したがいまして、日馬富士氏に対する損害賠償の請求をせず、治療費をはじめ一切の費用を自分で負担することにしました。

これからは相撲道にまい進し、相撲で活躍して、私の家族にはモンゴルで平穏な生活をさせたいと思います」。

 

本件窓口の富岡潤弁護士は「貴ノ岩関の人権を擁護することがその任務と考えていましたが、このような形でそれを断念せざるを得ず、極めて残念です」とコメントを出した。

https://www.nikkansports.com/battle/sumo/news/201810300000400.html

1年近くに渡り揉めていたこの事件、こんな形で幕引きすることになるとは、なんだかやりきれない気持ちになりますね。

モンゴルSNSの貴ノ岩関へのバッシングが酷い

今回、貴ノ岩関が提訴を取り下げた理由に、母国モンゴルでのバッシングが酷くなってきたことを挙げています。

国によって文化や慣習が違うのは当たり前ですが、モンゴルでは上下関係がきびしく、目上の人に逆らうなんてもっての外!といった風潮があるようです。

ましてや元横綱日馬富士関はモンゴルでは大相撲で横綱だったということで英雄扱い。

その英雄に向かって多額の損害賠償を求めるなんてあり得ない!という意見の人がほとんどだったそうです。

今の日本では、理由ががどうあれ暴力を振るうのは許されませんが、モンゴルではそれ以上に目上の人は敬うべきだという認識なんですね。

昭和時代の日本を彷彿とさせる風潮ですが・・・。

ワイドショーでも取り上げられたモンゴルSNSの誹謗中傷はかなり辛辣なものでした。

このみっともない人

横綱を尊敬しないからこんな目に遭ったんだろう

馬鹿者!日本人師匠(元貴乃花親方)と横綱を引退させた!

お兄さん(ルブサン氏)もすぐに人を殴っちゃうような人なんだよ

横綱引退の原因を作った上に2400万円も要求するとは人でなしだ

どのツラさげてモンゴルに帰ってくるのか?

などなど・・・。

モンゴル・ウランバートルの一般家庭では、平均月収は約4万円ということですから、貴ノ岩関側が提示した約2400万円という額は約50年分の収入に値するそうです。

貴ノ岩

この法外な金額もモンゴルの人にとっては怒りの元になったのでしょうか。

実際、貴ノ岩関は脳震盪を起こし頭を10針以上縫う大怪我でしたし、入院・治療費で435万ほどかかっているそうですから、モンゴルでは詳しい事情が伝わってないようにも感じます。

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貴ノ岩関の家族

貴ノ岩関が家族と話し合って決めたと語っていましたが、取材に応じて出てきたのはお兄さんだけでした。

ご両親はどうされているのかと不思議に思っていたところ、貴ノ岩関の家族には複雑な事情があったんですね。

貴ノ岩関の両親はすでに他界

貴ノ岩関は1990年2月26日生まれで現在27歳ですが、8歳の時に母・アルタンゲレルさんが46歳の若さで心臓病で亡くなられています。

そればかりか父・アディアさんも、貴ノ岩関が16歳の時に来日してから3カ月後に肝臓がんで64歳で亡くされ、若くして両親を失うという辛い時期を乗り越えて日本で相撲に打ち込んできたのです。

貴ノ岩関は5人兄弟

貴ノ岩関は兄が3人、姉1人の5人兄弟の末っ子です。

兄弟が多いから寂しい思いをせずにこられたという単純なことではありませんでした。両親がいないということで経済的にも苦労されたようです。

一番上の兄は貴ノ岩関を日本に送り出すために10年年季の国境警備兵になって家計を支え、貴ノ岩関が貴乃花部屋に入門してからは貴乃花親方が兄弟の親代わりになり、次兄は貴乃花親方の援助で大学に行って教師になったそうです。

取材を受けていたお兄さんは3番目でしょうか、ロブサン(ルブサン)・アディヤさんという方で職業まではわかりませんでしたが今回の事件でメディアに出たり兄弟と相談したりと仲が良く、5人で助け合ってきたようですね。

貴ノ岩関は家族へのバッシングを防ぐために提訴を断念?

メディアの取材を受けて、貴ノ岩関のお兄さんはモンゴルでのバッシングがエスカレートして困るような状態になってきたので貴ノ岩関と相談したと語っています。

貴ノ岩の兄

「1日に20〜30件も電話がくるようになった」「インターネットでたくさん悪い噂を流されるようになった」中には「モンゴルのテレビやインターネットサイトが金をもらって貴ノ岩関を悪く報道している」とまでコメントしていました。

こんなにバッシングが広まってしまってはモンゴルで生活しているお兄さんたちも困るし、まだ貴ノ岩関は将来のある力士なので、裁判やお金なんかもういらないから練習を頑張ったほうがいいと家族で相談したのだそうです。

こうした話し合いの末、貴ノ岩関は「私はどのような反応にも立ち向かう覚悟でしたが、これ以上、私の家族がモンゴルでつらい思いをすることは私自身の気持ちとして耐えられません。」と提訴取り下げに至ったと発表しました。

まとめ

貴ノ岩関は治療費も自分でまかない、今後は稽古に集中するとのことです。

元貴乃花親方が引退してから間もない内に取り下げたのは、もしかしたら親方のためにも引き下がらないつもりでいたのかなとも想像してしまいますが、家族のためにも引き下がることを決めたようです。

世間からみると被害者なのは明らかに貴ノ岩関なので、この結論は気の毒でなりません。

せめてこの思いをバネに相撲で頑張って欲しいです。

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